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【キャラで学ぶ凝固系】第2回 線溶系とそれぞれの凝固因子 (凝固系擬人化)

※動画の解説文だけを見たい人のために、台本をアップしています。
ただし、必要に応じて改変していますので、細部は異なるかもしれません。
記載するのは図説などを含まないシンプルな文面だけです。図説などが必要な方は動画を参照してください。

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血液凝固 / 線溶系 / フィブリン / 血栓 / プラスミン / プラスミノーゲン / tPA / PAI-1 / α2PI / FDP / D-ダイマー / トロンビン / TFPI / アンチトロンビン / プロテインC / プロテインS

<前回までのあらすじ>
案内人:血液凝固に興味を持ったコシロは、血液凝固学習ツアーに参加することになりました。凝固因子たちの活躍による止血の現場を見学して、そのブレーキとなる者たちの活躍も学びました。
コ:詳しい凝固系の仕組みは第1回の動画を見てね。
案内人:今回は線溶の現場を見てから、みんなの話を聞く予定です。

<本編>
あ:では、まずは線溶系について見てもらいましょう。ついてきてください。
コ:あそこは、さっき出血を止めた場所だね。ところで線溶系って何?
あ:線は、まあフィブリンのことですね。それを溶かすから線溶系です。よく見てみてください。
コ:あ、ふわふわ浮いてるミノムシみたいなのがいるね。
(血栓の周りの血管壁からキラキラしたものが出てくる)
ジュニー:あれはプラスミノーゲンだ。普段から血液中に流れているんだが、フィブリンができると集まってくるのさ。
コ:そういえば、背景でもフワフワ浮いていたね。
ジュニー:そして、血栓の周りをもっとよく見るんだ。
コ:あっ血栓の周りにはキラキラしたものがたくさんあるね。
ジュニー:あれは組織プラスミノーゲンアクチベーター、通称tPAと呼ばれる物質だ。
コ:tPAが血栓にくっついたね。あっ、なんかミノムシが寄ってきた。
(プラスミノーゲンがプラスミンに)
ジュニー:ああやって、フィブリンにくっついたtPAをエサに、プラスミノーゲンプラスミンになるのさ。
コ:プラスミンがフィブリンを溶かしているようだね。
ジュニー:このプラスミンが、血栓を溶かす、ほぼ唯一の存在なんだ。
コ:フィブリンのカスが飛んで行っているね。
ジュニー:あれはフィブリンフィブリノゲンを分解した後にできるものだ。通称FDP(Fibrinogen and Fibrin Degradation Products)と呼ばれる物質だね。FDPの一部として、D-ダイマーという特別な構造もある。この2つは凝固系の血液検査でよく見る項目だね。どう違うのかは第4回で講義予定だ。
コ:あっ、プラスミンがどこかに飛んでいこうとしているよ。
α2PI:(殺虫剤をブシューっとする演出)
コ:あっ、プラスミンがやられた!
ジュニー:あれはα2PI(α2-plasmin inhibitor)だね。プラスミンが働き過ぎるとフィブリノゲンなども分解するから、どこかに行く前にやっつけるんだ。
コ:つまり、まず、血管の壁から出てきたtPA血栓にくっつく。そして、そのtPAにプラスミノーゲンが触れることでプラスミンになる。プラスミンが血栓のフィブリンを分解して血栓を溶かしていく。でも、プラスミンがどこかに行こうとすると、α2PIがプラスミンを破壊してしまうんだね。
ジュニー:その通りだ。これが一般的な流れだね。
コ:α2PIもずっとフワフワと浮いているよね。ところで、プラスミンだけが血栓を溶かせるんだね?前回出てきたアンチトロンビンとかは違うの?
ジュニー:アンチトロンビンは凝固因子の邪魔をして、新しい血栓ができないようにはするけど、すでにできている血栓には無力なんだ。
コ:なるほど。
ジュニー:さて、この、ほぼ唯一血栓を溶かせるプラスミンの邪魔をする存在がある。それがPAI-1(Plasminogen activator inhibitor-1)だ。
コ:これも前からフワフワ浮いているよね。
ジュニー:このPAI-1は、ほら、こんな風にtPAとくっついて、お互いをダメにしてしまうんだ。こうなると、tPAの効果が無くなって、プラスミノーゲンがプラスミンになれなくなってしまう。
コ:なるほど、PAI-1でプラスミンになるのを邪魔して、α2PIで余分なプラスミンを退治しているんだね。そういえば、ジュニーさんは線溶に詳しいの?
ジュニー:実は第12因子線溶に関わっているんだ。弱いけれど、こうやって、tPAの分泌を促進したり、プラスミノーゲンプラスミンに変えることもできる。
コ:ジュニーさんは血液を固まらせるのが仕事じゃないの?
ジュニー:前回の動画で出てきたように、人工物を見つけると、PTAイレブンに連絡して、凝固を促進する役割もある。しかし、プラスミノーゲンをプラスミンに変えてフィブリンを溶かす役割もあるのさ。
コ:固めるのと溶かすの、両方に働いているということ?でも、血液を固める時、ジュニーさんって役に立たなかったような。
ジュニー:まあ、そうだね。固める方も溶かす方も補助でしかないんだ。実際いてもいなくても大した影響はない。
コ:もしかしてジュニーさんって要らない子?
ジュニー:ま、まあ、もし私がいなくても、血液検査で異常が出るだけで、出血が多くなるわけではないし、手術をしても問題ないとまで言われてるね。そして私がいなくても、普段から特に何の症状もないことも多い。ただ、線溶の方の仕事が遅れがちになるから、私がいない場合は、血栓ができやすくなることが知られているね。
コ:凝固の係というより線溶の係になっているんだ?そういえば、ジュニーさんはGla残基を使わないんだ?
ジュニー:私にはこれがあるからね。
コ:前から気になっていたけれど、そのカリフラワーみたいな杖は何?
ジュニー:カリクレインというアイテムさ。PTAイレブンに異常を伝える役割もあるし、こうやって……プラスミノーゲンをプラスミンに変えることもできる。あとは炎症の調整もできる。
コ:炎症?
ジュニー:例えば、異常のある血管の壁を見つけたら……ブラジキニン!……こうやって炎症を起こすのさ。
コ:カリクレインを使って、色々できるんだね。
ジュニー:まあ、どれも補助なんだけどね。居たら安定するけど、いなくてもそんなに困らない。
コ:やっぱり要らない子なんじゃ……。Gla残基を使わないと言えば、PTAイレブンのみんなもそうだよね。
PTAイレブン:そうだね。私たちもGla残基は使わない。
コ:じゃあ、ジュニーさんみたいに、何かアイテムは使うの?
PTAイレブン:いいや、私たちはこの肉体だけが武器さ。ジュニーさんから異常を言われたり、トロンビンを見かけたりしたら、クリスマスナインに広く伝えるのが仕事だね。これによって指令が増幅されて、凝固系が素早く働けるようになるのさ。
コ:そうなんだね。クリスマスナイン、ナナさん、クロスさん、プロトロンビンは、みんなGla残基を使っていたね。えっと、クリスマスナインはGla残基を使って第8因子を投げていたね。
クリスマスナイン:そう、この第8因子を使ってクロスさんに合図をするのが我々の仕事だ。PTAイレブンからの合図も受けているんだけど、やはりナナさんの合図が無いと、動きにくいね。いや、動かないわけではないんだけどね。
コ:やっぱり場所を指定されないと働きにくいよね。
ナナ:きちんと働くには私が重要ってわけだね。
コ:ナナさんの指示でクリスマスナインとクロスさんが反応していたんだったね。そういえば、アンチトロンビンには反応していなかったよね?
ナナ:私は基本的に血管の方しか見ていないからね。組織因子が見えているとか、組織因子経路阻害因子が見えているかっていうのが判断基準になっているね。アンチトロンビンは全然参考にしてないんだ。
コ:組織因子の情報を監視しながら、止血する場所を伝えて、他の人が対応しやすくするのが仕事ってことだね。その情報の中継をしているのが……
クロス:私ですね。ナナさんからの連絡と、クリスマスナインからの第8因子を確認して、プロトロンビンをトロンビンに変えるかどうかを調整しています。
コ:前回の動きを見ていると両方の連絡が揃わなくても、プロトロンビンの活性化をしているんだね。
クロス:出血は緊急事態ですからね。両方の指令を待っていては、対応が遅れる可能性があります。なので、片方の連絡だけでも様子を見ながら開始して、両方の指令が揃ってから本格的に活動する、という形式にしているのです。
コ:ナナさんから連絡があれば、トロンビンに反応したPTAイレブンがクリスマスナインに指示を促すから、いずれはクリスマスナインからの連絡も来るようになっているんだね。
クロス:その通りです。このようにして、両方の指示が揃ったら、止血を本格的に始める、というわけですね。
コ:なるほど、必要な時にすぐに働けることを優先するけど、本格的な活動は裏を取れてからにするっていうことだね。そして、プロトロンビンの活躍はシンプルだね。
プロトロンビン:そう、我々はトロンビンに変身してフィブリノゲンフィブリンに変えて止血をする。ただそれだけの役割です。
PTAイレブン:そんなことないさ。トロンビンとなって活躍することで、私たちにとっては「今は緊急事態なんだ」と把握できるようになる。
コ:すると、そこからまたクリスマスナインを介してクロスさんに連絡が入って、トロンビンがさらに増えるわけだね。これをトロンビンバーストと呼ぶんだったね。
クロス:そう、そのようにして、凝固系を増強し、止血を強化しているのです。
コ:そして、止血が完成したら、完成したよっていう合図が出るんだったね。まずは、組織因子経路阻害因子(TFPI)だったね。これを見てナナさんとクロスさんが動きを弱めるんだ。
ナナ:そうだね。
クロス:ナナさんが動きを緩めることで、間接的に私の動きが弱まることになりますが、それ以前に私自身も組織因子経路阻害因子(TFPI)を確認することで動きを緩めます。
コ:そして、アンチトロンビンが働いてナナさん以外の動きが弱まるのはわかったんだけど……。
プロテインS&C:ふっふっふっ。
コ:……あれは誰?
あ:あれは、プロテインSプロテインCですね。
プロテインS:直接聞いてくれてもいいんだぜ!
コ:いや、なんか暑苦しくて。
プロテインC:俺たちはプロテインSとプロテインCさ!
コ:君たちは何をしているの?
プロテインS:俺たちは血液が固まりすぎるのを防いでいるのさ。
プロテインC:このビデオを見てみるがいい。
コ:あっ、よく見たらトロンビンが多くなりすぎて、出血しているところ以外のところも凝固しようとしているね。
プロテインC:そう、トロンビンがあまりにも働きすぎたら、こんなことが起こるんだ。それを防ぐために、血管の壁の中にいるトロンボモジュリンが、トロンビンを発見次第捕まえる。それを確認して、俺達が働き始める、というわけさ。
プロテインS:プロテインCと協力して、第5因子第8因子を破壊する。それによって凝固を抑えようっていうわけさ。
コ:そうなんだ。重要な仕事だね。
プロテインC・S:もちろんだとも!
コ:やっぱり暑苦しいね。
あ:さあ、全員の話は聞けましたね?
コ:うん、おかげで凝固系と凝固系のブレーキ、線溶についてわかってきた気がするよ。
あ:それでは、少し休憩したら、次は凝固系の検査についてみていきましょう。
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